グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  教員紹介 >  葛文綺

葛文綺


学生へ、あるいはこれから入学を目指す方へのメッセージ

大学は「知識」だけでなく、「考える力」を身につけるところです。高校生までとは違って、大学生になると、自分で時間を生み出すことができます。だからこそ、青年期ならではの関心テーマをそれぞれが見つけ、じっくりと取り組んでほしいと思います。この貴重な時期を大切にしてください。

ゼミ紹介

心理学は、日常生活の出来事について「なぜ人々はこのような言動をするのかな?」「その背景にどんな心理が働いているのかな?」といった疑問に答えるための学問です。普段の日常生活の中で感じている疑問や興味を持っていることを自分だけでなく、ゼミ生同士で共有し、その答えを見つけるとともに、皆でこの「発見」のプロセスを楽しんでいければと思います。また、私の専門は臨床心理学で、スクールカウンセラーや大学での学生相談、ハラスメント相談など、さまざまな臨床現場で働く心理職の専門性について研究しています。ゼミ生と一緒に臨床心理学の面白さ、奥深さを味わっていきたいと思います。

最近の研究上の関心

1.ハラスメント相談
最近、「〇〇ハラ」という言葉をよく耳にするようになったと思います。例えば、パワハラ(パワーハラスメント)、カスハラ(カスタマハラスメント)、ワクハラ(ワクチンハラスメント)など。ハラスメント相談は心理職にとって比較的新しい分野になりますが、そのニーズと重要性が高まっており、心理職が活躍できる分野になります。その中でも、心理職だからこそ発揮できる専門性について焦点を当て研究しております。

2.多文化共生
社会はどんどん多様化が進行しています。「誰もが共に生活し居心地がよい社会を作っていく過程において、心理職がどのような貢献ができるのか」という点に私は興味関心があります。今までの心理臨床では、その人が抱えている問題はその人個人の内面で検討することが主流でしたが、それでは限界があります。その人が置かれた環境や社会的な文脈で考えることも重要です。最近、私は仲間の心理職と「心理職の社会的責任を考える会」を立ち上げ、様々な社会問題(例えば、LGBTQ、貧困、離婚家庭の子どもと親の面会、など)について心理職がどのように関わることができるのかについて議論を進めております。

3.ストレスマネジメント
私たちは日々ストレスフルな社会で生活しています。しかし、ストレスを完全になくすことはできません。そこで、いかにストレスと上手に付き合うことが大切になります。ストレスマネジメントを行うことにより、メンタルヘルスの不調を防ぐだけでなく、日常生活や人間関係がより豊かになります。私は第三世代の認知行動療法と言われているマインドフルネスやセルフ・コンパッション、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめ、さまざまなストレスマコーピングに興味を持っています。また、ストレスマネジメントが自己肯定感に与える影響についても関心を持っています。

研究業績の抜粋

<著書>
【単著】
・中国人留学生・研修生の適応(2007 溪水社)

【共著・分担執筆】
・大学におけるハラスメント対応ガイドブック~問題解決のための防止・相談体制づくり~(2020 福村出版)
・こころの危機への心理的アプローチ―~個人・コミュニティ・社会の観点から~(2019 金剛出版)
・公認心理師基礎用語集(2018 遠見書房)
・心理臨床学事典(2011 丸善出版)

<論文>
・大学におけるハラスメント事例に対する援助プロセスに関する質的研究/千賀則史,葛文綺他(2019 心理臨床学研究,37/5,503-509.)
・大学のハラスメント相談における心理職の専門性/千賀則史,葛文綺他(2019 臨床心理学,19/3,352-360.)
・大学におけるハラスメント相談・防止体制および相談員の役割に関する検討/葛文綺他(2018 学生相談研究9/2,95~105.)
・小学生の学校ストレスについて-日中の比較を中心として-/葛文綺(2009 異文化コミュニケーション,12,57-68.)
・文化と行為-「引きこもり」に関する日本文化論的考察-/酒木保,吉元洪,葛文綺(2008 宇部フロンティア大学大学院付属臨床心理相談センター紀要5,17-22.)
・心理学を専攻する学生との面接過程-過去を振り返り、将来の自分を描く-(2007 宇部フロンティア大学大学院付属臨床心理相談センター紀要3,29-35.)
・学校組織とスクールカウンセラーの機能について-3年間公立中学校のスクールカウンセラーに従事して-(2007 宇部フロンティア大学大学院付属臨床心理相談センター紀要3,22-28.)
・アスぺルガー症候群が疑われる生徒への支援について-スクールカウンセラーとしての対応から-(2006 宇部フロンティア大学大学院付属臨床心理相談センター紀要2,60-69)
・留学前後における対ホスト国イメージの変化に関する研究 -中国人留学生と日本人留学生との比較を通して-(2003 異文化コミュニケーション,6,117-130.)

略歴

1997年 横浜市立大学文理学部人間社会学科卒業
1999年 名古屋大学大学院教育学研究科発達臨床学専攻博士課程前期課程修了
2004年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科発達臨床学専攻博士課程後期課程修了
2005年 宇部フロンティア大学助手
2008年 名古屋大学ハラスメント相談センター相談員
2017年 愛知学院大学心身科学部准教授
2022年 愛知学院大学心理学部教授